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漫画 銀河鉄道の夜 ますむら・ひろし

今週のお題「好きな漫画」

 

たまたま、最近読んだ漫画の紹介です。

 


 

 

 

二つのバージョンの銀河鉄道の夜を収録したコミック。(作画は、ますむら・ひろし)登場人物は猫に置き換えられていますが、ストーリーは忠実に再現されているとのこと。セロ弾きのゴーシュも収録。発表は1983年から85年ごろ。(セロ弾きのゴーシュは収録されていないコミックも出版されているようです)

 

宮沢賢治の名作、銀河鉄道の夜。この本(紙書籍)の解説によると、銀河鉄道の夜には第4次稿まで存在するとのこと。広く読まれているのは第4次稿ですが、このコミックでは第3次稿も、初期形「ブルカニロ博士編」として収録されています。

 

ここからは個人的な感想です。「ブルカニロ博士編」は非常に理屈っぽいというか、結論まで全て書かれている道徳の教科書のようです。科学の力で人類の課題を克服し、宗教や文化の違いも乗り越えていく。正しくて非の打ち所がないけれども、どこか地に足がついていないような。一方、広く読まれている最終形では、主人公のジョバンニは、科学の力も、宗教の力も、完全には信じていないように見えます。第3稿では「正義は勝つ」という比較的単純な世界観だったのに対して、最終稿では「正義は勝てないかもしれない(けれでも生きていかなければならない)」という複雑なメッセージになっているようです。

 

最終稿は第3稿に比べて、漫画でのページ数が半分ぐらいしかありません。ページが少ない代わりに、解釈を読者にゆだねているようにも見えます。人生の不条理さや一神教への違和感を読み取ることも出来そうです。

 

このブログで「銀河鉄道の夜」の漫画版を紹介するのは2冊目です。
銀河鉄道の夜は、原作が難しいなら、漫画でも読む価値のある作品と言えそうです。

 

 

ますむら・ひろし 宮沢賢治選集 2 銀河鉄道の夜【電子書籍】[ ますむら・ひろし ]

 

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