好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

現代貧乏物語  橋本 健二


 

 

貧困問題の社会学的な分析と、日本社会への提言を収録した本。
(2017年の出版)


現代貧乏物語というタイトルは、河上肇の「貧乏物語」を下敷きにしているため。

 

最近の人手不足によって、すっかり目立たなくなった日本の貧困問題。ドキュメンタリー番組とかジャーナリスティックな内容が注目を集める状況でないかもしれません。そんな一息ついた時期こそ、統計データも踏まえながら貧困問題を概観してみる、冷静に考えるのには良い時期かもしれません。

 

貧困をどう定義して、どう測定すべきか。


貧困は、貧困層と社会にどんな影響を与えるのか。

 

日本で貧困問題が深刻化した経緯
本当のきっかけは、バブル崩壊より前のプラザ合意
格差拡大を助長した政府

 

河上肇の貧乏物語をはじめ、現在でも参考になる貧困研究

 

統計データも用いた国際比較

 

日本社会への提言
ベーシックインカムとか、格差を再生産しにくい教育制度など)

 

同じ日本人と言っても、立場の違う人々が存在し実質的に階級を構成していること。資本家や正社員、非正規労働者アンダークラスなど。貧困問題の解決のためには、異なる階級間の利害調整を含めて考える必要があること。社会学の本なので、マスメディアの普通の論調より一歩踏み込んで考察しています。


難しい問題でも逃げずに、「より良い社会」について考えてみたい人にふさわしい内容だと思います。

 

現代貧乏物語 [ 橋本 健二 ]