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漢和辞典、使った記憶ありますか?

今週のお題「読書の秋」

 

このブログでは久しぶりの「今週のお題
本を読む時に広辞苑などの国語辞典を使う人は時々いても、漢和辞典(漢字字典)を使う人は、かなり少ないと思います。しかし、読む辞典としては漢和辞典は面白い。それが今回のテーマです。

 

私自身、最近まで漢和辞典を使うことは滅多にありませんでした。高校の漢文の授業で買わされた漢語林(旧版の漢語林)は、ほこりをかぶったままでした。


今年の4月、たまたま見ていたクイズ番組TBSの東大王で漢字オセロをやっていました。そこで出題された漢字の1つが「腥い」の読みを答える問題。

 

 


月と星でなまぐさい。月は肉月(にくづき)だろうとは想像できたのですが、星の方はわかりません。そこで、ほこりをかぶった漢語林を引いてみました。

 


漢語林には「肉の中に星のようにまじる白い脂肪のある、しもふり肉」と出ていました。この説明を見て、漢和辞典って面白いと思いました。
言葉には歴史があって、長い時間をかけて意味も発音も文字表記も変化していく。また同じ場所にとどまってるだけではなくて、遠い国に伝わったりもする。
国語辞典では背景に隠れている言葉の歴史性みたいなものが漢和辞典では前面に出てくるのが面白さの1つ。

 

もう一つの醍醐味は、漢和辞典類語辞典的な側面が強いという点。漢字が部首別に配列されているので、基本的に似た意味の漢字が集まっています。(もちろん例外はあって、形が似ているだけで意味は関係ない漢字もありますが)そして、1つの漢字に複数の読み方や意味が存在する。また同じ漢字を使う熟語も多くは類義語といえるでしょう。そう考えると漢和辞典入れ子構造の類語辞典というユニークな存在と言えそうです。

 

漢和辞典は、高校の漢文の授業のように少ない知識を正確に覚えるような時に使うのでは、あまり楽しくないかもしれません。もっと、ゆっくりと何かを吸収していくときに、別に立ち止まらなくても目的地には到着できる「寄り道」みたいな存在かもしれません。灘中学には銀の匙という小説を3年かけてじっくり読むという授業があったそうですが、どうせゆっくり読むなら、国語辞典よりも漢和辞典を使いながら読んだほうが面白そうなどと今は思います。

 

読書の秋、その「お供」に漢和辞典はいかが?
(高校生用の少し高い電子辞書だと新漢語林などが入っていたりします)