好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

まんがトキワ荘物語 手塚治虫 他 祥伝社新書


 

 

1970年頃、トキワ荘の元住民だった漫画家たちがトキワ荘時代を振り返って描いた漫画。12人のオムニバス形式。(手塚治虫藤子不二雄A/寺田ヒロオ鈴木伸一赤塚不二夫水野英子つのだじろう永田竹丸森安なおやよこたとくお長谷邦夫石ノ森章太郎


初出は漫画雑誌COM(50年近く前)。書籍化は1983年。祥伝社新書版は2012年。

 

特に印象的だった漫画を、いくつか選んで感想を書いてみます。

 

一つ目は、トキワ荘の紅一点、水野英子
わずか8ページの短編ですが、1ページ目にある「フリーハンドで描くのがもっともふさわしい物語」という書き込みと、ほっこりするようなイラストが印象的。他の短編にはあまり出てこない、赤塚不二夫の母親と石ノ森章太郎のお姉さんも登場します。

 

二つ目は、森安なおや
のらくろ」の田河水泡内弟子を経て、トキワ荘に来たことが書かれています。漫画家のなり方が変化した時期なんだなと興味深く読みました。

 

つのだじろうの話は、漫画家は何を勉強するべきかと言うのがテーマ。東京芸大の講習に行く、映画を見る、本を読む、仲間と朝まで夜遊びする。

 

赤塚不二夫石ノ森章太郎との思い出を描いています。当時の映画の入場券が描かれていて、「税込料金(税率1割) 55円 日本政府」と言う文字が。まさに隔世の感があります。


現在から当時をイメージすると、皆貧しくて皆夢を持っていてと考えてしまいがち。しかし当時、石ノ森章太郎の部屋だけにテレビがあったりと、売れっ子と、売れてない人の格差が伝わってくるエピソードも出てきます。

 

まんがトキワ荘物語 (祥伝社新書) [ 手塚治虫 ]