好きなことを知っている人は、しあわせ

好きなことを知れば幸せになれる。好きなことが分からないと幸せになるのは難しい    

バナナを逆からむいてみたら  アーチャン・ブラーム


 

 

中身を読んで、びっくり。異色の仏教法話集。著者はイギリスのロンドン生まれ。タイで修行してオーストラリアで活動している仏教僧。
原題は「GOOD?BAD?WHO KNOWS?」
「良い?悪い?誰にも分らない」と言った意味でしょうか。

 

翻訳者による説明を読まずに、普通の日本人が読むと、ちょっとスピリチュアル的な自己啓発本と思うかもしれません。最後まで読んでも仏教の話だと気づかないかもしれません。

 

キリスト教を初めとする一神教の価値観に戦いを挑むのではなくて、穏やかに疑問を投げかけるような内容になっています。

 

日本の場合には一神教を信仰している人は多くありませんが、善悪二元論にとらわれて生きづらさを感じている人は少なくないと思います。かと言って、日本の仏教にも馴染みがないとか、日本の仏教に違和感を感じている人向きの内容。

 

 

ものごとには良い面も悪い面もある。良いと思ったことが本当に良いことだとは限らない。悪いと思ったことが、後から良いことだったと分ることもある。

 

全部が良い人も、全部が悪い人もいない。

 

永遠に続くことなど無い。大切なものが離れていく時、大切な人と別れる時はやってくる。そうした別れを理由に不幸になる必要は無い。

 

執着を捨て、物事の多面性に気づき、自分の心や体験を大切にする。
こうした内容が、「バナナを逆からむいてみる」とか「犬のフンを踏んだ時」
「母へのプレゼント」「ヒマラヤ旅行」「ハーレーダビットソン」などのエピソードを交えて語られています。

 

仏教とは切り離して「うつ病認知療法」的な内容として読むことも出来そうです。

 

バナナを逆からむいてみたら [ アーチャン・ブラーム ]