「いただきます」は「いただく」の濫用(柳田國男)
私は放送大学の学生でも何でもないのですが、何となく録画していた放送大学の講義「日本語とコミュニケーション」を見ていたら、面白いエピソードが紹介されていました。
日本語とコミュニケーション('15) 第15回
滝浦真人教授の説明(一部抜粋)
ごはんを食べる時に、「いただきます」と言いますよね。
あれは昔からあると思いますか。(中略)
ちゃぶ台が食事の場所として使われるようになったのは関東大震災以後。
それ以前は、箱膳(食べ終わった食器を、中に入れることが出来るお膳)で、
めいめい食べていた。
箱膳の時代は、「いただきます」をあまり言っていたなかった。
(使用人が「いただきます」を使っていたことはあっても、家族みんなが、一斉に食べてはいなかった。)
民俗学者の柳田國男(1875-1962)は、いただきますは「いただく」の濫用だと批判的に言っている。
食うの謙譲が食べる、「いただく」は、さらに謙譲。