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津田篤太郎 病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか


 

(045)病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか (ポプラ新書) [ 津田篤太郎 ]

 

タイトルから受ける印象と本の内容に、ずれがあります。この本のテーマは原因が分らない病気、原因が分っても取り除くのが不可能な時に、医療に何ができるのか。「原因を取り除かない医療」みたいなタイトルを付けたほうが、内容を表していると思います。

 

NHKのドクターGに出演、医事指導の経験もある著者の発想は、原因を除去できればめでたし、めでたしのドクターXとは対照的。

 

具体例をあげると、インフルエンザに抗ウイルス薬のタミフルを使うのが原因を取り除こうとする医療。一方、タミフルの副作用や、タミフルの効かないインフルエンザウイルスの出現を警戒して漢方薬麻黄湯を処方するという選択肢もあります。(患者の自己治癒力、免疫力に期待する方法)

 

インフルエンザの場合は比較的単純ですが、著者の専門であるリウマチなどの膠原病統合失調症、転移してしまったがんなどでは話は非常に複雑。

 

結局スッキリした答えにはたどり着かず、漢方とか「かかりつけ医」、患者のセルフモニタリング能力に期待して、本書は終わります。

 

逆説的な表現になりますが、平易な説明で医学の難しさに触れたい人向き。

 

 

(045)病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか (ポプラ新書) [ 津田篤太郎 ]