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亜澄錬太郎の事件簿(1) 創られたデータ (サイエンスミステリー) 斎藤勝裕


 

亜澄錬太郎の事件簿(1) 創られたデータ (サイエンスミステリー) [ 斎藤勝裕 ]

電子版もあります

 

科学ミステリーと言えば有名なのは東野圭吾ガリレオシリーズですが、こちらは科学は科学でも化学(ケミストリー)の化学推理小説

 

著者の斎藤勝裕は化学関係の教科書や一般書を多数執筆している化学の専門家。
普通の教科書は既に出しつくしてしまったので、推理小説にチャレンジしたのかもしれません。

 

20ページ程度の短編小説+20ページ程度の化学解説(理論的な説明と、フラスコなどの昔ながらの実験器具及び化学実験の紹介)

 

小説の部分は(ネタバレになってしまいますが)、大学の研究室と言う狭い社会、人間関係の中で、激しい出世競争を繰り広げ、過ちを犯す大学院生や大学教員と言った内容。

 

推理小説をけなす時に、単なる犯人あて(フーダニット【whodunit】、Who done it?)と言ったりしますが、この本では犯人ではなくて使われた毒物を当てるのがメイン。そういう点では、ガリレオシリーズよりも「科捜研の女」に近いのかもしれません。

 

毒物の科学(化学)は、地味な上に、普通の人、文系の人間には難しいので、
化学推理小説は少ないのかもしれません。

 

第一話に名前だけ出てきた研究室の教授と准教授が、その後、一切登場しないとか、小説として突っ込みを入れ始めると色々ありそう。


しかし欠点はあっても、気楽に読める化学読み物としてはありではないかと思います。

亜澄錬太郎の事件簿(1) 創られたデータ (サイエンスミステリー) [ 斎藤勝裕 ]