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医師と患者、ふたつの視点で考えるアトピー性皮膚炎 [ 古江増隆 ]他


 

医師と患者、ふたつの視点で考えるアトピー性皮膚炎 [ 古江増隆 ]

 

同内容のホームページ(無料)九州大学皮膚科学教室

アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう。



一見小冊子のような薄い本ですが、内容は豊富な1冊。
医師の視点では科学的な内容を中心に、患者の視点では心理面の問題を中心に扱っています。

 

アトピー性皮膚炎の原因に関しては遺伝的な要因による皮膚のバリア機能の異常が主な原因と言う立場です(生まれつき皮膚が弱い人がなりやすいという考え方)。

一方アレルギーは多くの場合、無視しても良いという立場です。特殊なアレルギーが見つかった場合のみ対処し、ダニアレルギーの大部分は無視しても良いとしています。

 

また体質は遺伝子によって決まってしまうので、その部分を治療することは出来ない。そのため症状をなくして普通に生活が出来ることを目標にすべきという立場です。

 

アトピーに関わる遺伝子は多数あり、治りやすい人から治りにくい人まで様々であることも認めています。

 

またステロイド薬などの副作用も詳しく説明されており、現実問題としては医師が副作用に注意しながら処方するしかないという立場です。

 

その一方で、アトピーが良くならない人の大部分は、ステロイド忌避(意図的な拒否から何となく恐怖を感じている人まで様々)が原因と言うことも強調しています。ステロイドを塗る範囲が狭すぎたり、塗る回数が少なすぎるためにアトピー性皮膚炎が良くならないと強調しています。(日本では通常5グラムのチューブでステロイドが処方されるのも、塗る量が少なくなる原因だとしています)

 

また症状が軽快した後も、再発防止のためステロイドを使ったプロアクティブ治療を続けることを推奨しています。(にきびのCMで有名なプロアクティブとは無関係・・・予防と言う意味では似た意味かも知れませんが完全に別物です)

 

一方患者の視点としては、心理面を中心に、かゆみへの対処や病気との向き合い方が書かれています。アトピーを治すという考えにとらわれるのではなくて、完全には良くならない場合には、アトピーと付き合っていくという発想で書かれています。

アトピー性皮膚炎患者の親としての対処法という項目があるのも特徴。

 

全体的に非常に論理的、科学的な内容になっており、心に余裕のない状態で当事者の人が読むのはつらいかもしれません。一方客観的な立場で考えることの出来る人なら色々と参考になりそうです。

 

 

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