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もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典 岩田 健太郎 著 / 石川 雅之 絵

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もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典 [ 岩田健太郎 ]
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見開き2ページに一つの菌を解説した新しい細菌図鑑かと思って眺めていると、
何か違う感じのする1冊。

 

各項目に描かれているイラストは、紹介されている菌を描いたものではなくて、「もやしもん」と言う漫画のキャラクターでした。
(タイトルも菌図鑑ではなく、菌辞典になってます。正確には辞典や事典でもなく菌に関するコラム集ですが)


もやしもん」が、この本の売りのようで、巻末には、本文を執筆した岩田健太郎医師と漫画家で「もやしもん」の作者石川雅之の対談も収録されています。

 

初出は、メディカル朝日と言う医療従事者向け雑誌の連載とのこと。
休み時間の微生物学と言ったタイトルの本もありますが、休み時間の微生物とか、菌の話と言った、息抜きをしつつ、ある程度ためになることを狙っている感じの企画です。

 

著者の岩田健太郎は微生物そのものが専門ではなくて感染症が専門の内科医とのことで、「どういう時に、この菌の感染を疑うのか」とか、「感染者がいた場合に何に注意すべきか」と言った内容に重点を置いてます。(水虫の話が出てこないのは、水虫で内科を受診する人は普通いないからでしょうか)

 

O157、ジカ熱、エボラ出血熱。MERS,ハンセン病結核と言った自分にも聞いたことのある項目を読んで見ると面白かったので、一応最後まで読めました。
全体的には難しい内容が多かったのですが、国際的な視野と予防注射の重要性を訴えていることや、結核ハンセン病の話は印象的でした。(あと、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌という分類は、微生物関連では常識だということも)

 

巻末の対談は、モノマネ芸人が「ご本人」に認知される話と似ていて
面白かったです。(漫画家が関連分野の専門家に認知される話)

ぜんぶわかる血液・免疫の事典 [ 奈良 信雄 ] 

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アレルギーとの関連で興味を持った免疫の話。比較的読みやすい本を何冊か読んで思ったのは、免疫の主役は白血球だから、白血球中心に免疫を解説した本があれば分かり易いのではないかということ。

 

そんな時に、見かけたのが「ぜんぶわかる血液・免疫の事典 」です。

(2017年出版の新刊)

 

このシリーズを実際に見たことのある人は分かると思いますが、本格的な事典ではなく学生向けの資料集のような内容です。前半、赤血球や白血球の働きを、大きくて綺麗なイラストを使って、ゆっくり丁寧に解説してあるので、看護師を目指す学生などを想定しているのかも知れません。(出版社のホームページでは看護実務に分類されていました。)

 

第2章の「免疫・内分泌系のしくみと働き」の前に、第1章「血液のしくみと働き」を解説してあるのは確かに分かり易いと思います。マクロファージなどが活躍する自然免疫の話は、この構成で説明してあると、すんなり理解できそうです。

 

しかし、その後の獲得免疫やアレルギー、自己免疫疾患の話になると、細胞レベルよりも、さらに細かい抗体とかサイトカニンと言った話が中心になるので、やはり難しいと感じました。

 

第3章血液検査の項目と基準値、第4章血液・免疫疾患のメカニズムと治療法は
一般人には馴染みの薄い項目が多く医療職の人向けの専門的な内容という印象。

 

全部を理解するのは大変そうですが、補助的な教材として図鑑のように眺めていると、免疫に関する理解が深まりそうな1冊。

 

極限環境の生き物たち なぜそこに棲んでいるのか (知りたい!サイエンス) 大島泰郎


 

電子版あり

 

個人的にはアトピー性皮膚炎の話から少し興味を持った微生物学


地元の図書館に行くと、基礎医学、生物学、発酵食品(発酵学)の本棚に
分散して数冊ずつ微生物に関する本が置かれています。
医学書のコーナーにある微生物の本は内容も難しく、ウイルスと細菌の羅列のような内容なので、生物学のコーナーにあった読みやすそうな本を借りて来ました。

 

最近は生命の起源との関係で注目されることの多い極限環境の微生物。
この本の主役は沸騰するような熱湯の中でも生きられる好熱菌です。

 

「極限環境の生き物たち」というタイトルだと生き物図鑑みたいですが、
実際の内容はタンパク質とかDNAが登場する生物学寄りの内容です。
(人間など大部分の生物が死んでしまう熱湯の中も一部の微生物が生きられる理由などが解説されています)


しかし、いたずらに難解な内容、細かい内容を追求するのではなくて
中学、高校レベルの生物の内容と関連付けた分かりやすい内容です。

 

後半、微生物以外では非常に珍しい極限生物としてクマムシが登場しますが、
クマムシは実験動物として(小さなモルモット)として宇宙に連れて行かれたり、乾燥させられたりする話が中心。一方、著者の専門とする好熱菌に関しては、DNA鑑定を初めとする生命科学や産業の分野で役立っていることが力説されています。この本の真の狙いは個別の生き物に関して博物学的な興味を持った中学生、高校生を現代の生命科学に誘うことかもしれません。

 

そのためか科学実験の難しさについても詳しく書かれています。
生命科学の実験は研究者に捏造の意図が無くても、しばしば間違いが起こることを具定例を挙げて説明しています。その後で紹介されているパスツールの有名な実験が印象的。この本で詳しく説明されているように一部の微生物は熱湯の中でも死にません。また胞子の状態なら死なない微生物もいます。そのため実験としては間違っているのだけど、当時は正しい実験とされ生物学に影響を与えた例として紹介されています。(こういう話は心理学なんかでは普通にありそうですが、生物の有名な実験を例に紹介されていると驚きました)

 

顕微鏡で細胞(コルクの細胞壁)を発見したフック、それより後に超高性能虫眼鏡(レンズが一枚しかない)を使って微生物を発見したレーベンフック。二つのエピソードが順番に書かれているのも面白かったです。

 

全体的に読みやすい文章で適度な脱線もあり最後まで楽しく読めました。
高校1年生や2年生あたりの夏休みの課題図書に良さそうな1冊。

 

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薬局で軟膏(塗り薬)を混ぜる機械(なんこう練太郎)が凄い

皮膚病で皮膚科に行った時に処方される塗り薬の話です。


昔は薬局で混ぜ合わせたものを患者のほうでは内容も確認せずにもらっていました。

いつ頃からか、塗り薬はチューブ(たまにボトル)で渡されるようになり、
複数の薬を塗る時は自分自身で(患者本人が)重ね塗りするようになりました。

 

先日ブログに書いた皮膚生検をした時に、久しぶりにステロイドと保湿剤を混ぜ合わせる(混和した)薬を処方されました。


アンテベート(ストロングレベルのステロイド)+ヒルドイドソフト軟膏

 

これは一見ステロイドの濃度を下げて薄めているようですが、実際には皮膚への浸透率を上げるために行われているようです。以前受診した別の大学病院では、患部にラップ(サランラップと思ってる人もいるようですが実際にはポリエチレンラップ)を巻くように指示されました。ラップを巻くのも保湿効果を高め薬の吸収を高めるようです。(皮膚がべとべとになってしまい、もはや保湿とは別物のような気もしましたが)
私の場合、普通のアトピーではなくて アミロイド苔癬なので、こうした薬の吸収率を高めるテクニックが重要なのかもしれません。


ここからが本題
保湿剤とステロイドを薬局で混ぜる場合、従来は、へらを使って手作業で混ぜていたそうです。(今でも大多数の薬局では手作業で混ぜているようです。)

 

従来の方法

www.youtube.com




しかし最近登場した軟膏を混ぜる機械が結構凄いものでした。

 

ケーキ作りの時に使うような単純なミキサーではなくて、自転・公転ミキサーを利用した攪拌脱泡装置とのこと。(泡立てずに、空気を抜きながら軟膏を混ぜる優れもの)ちょっとググって見ると100万円前後はする商品のようです。

 

ユーチューブに紹介動画がありました。

自転・公転ミキサー 軟膏調剤・製剤機 なんこう練太郎 NRE-250 | シンキー

www.youtube.com

 


シンキーミキサーのメカニズム解説 | シンキー

www.youtube.com



 

このミキサーで軟膏を混ぜることを思いついた大学教授

なんこう練太郎 誕生秘話 神戸学院大学 福島教授インタビュー 高画質 | シンキー

www.youtube.com




参考サイト
めでぃすた

medistor.net



(混合軟膏のメリット、デメリット、手作業で軟膏を混ぜる動画も)

やめたい食べグセ 森拓郎(ベスト新書)

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外食やコンビニ弁当での食事が多く不健康な食生活を送っている人の食事を改善するための本。商品名そのものは書いてないものの、外食産業や食品業界との関係で言いづらいそうなことも、遠慮なく書かれています。

 

基本的な考え方は突飛なものではなく、自然と取り過ぎてしまいがちな糖分を減らしタンパク質を増やすこと。(缶コーヒーやスポーツドリンクなどから摂取している糖分も重要)


一時期強調されていた脂肪の取り過ぎは、肥満の主要な原因ではないこと。


本来の栄養素ではない食品添加物などが使われている食品には安易に飛びつかないと言った内容です。(特保、特定保険食品にも懐疑的です)

 

具体的には

牛丼店に行く時は、牛皿とご飯、温玉(ゆで卵)を注文。
肉を食べたいなら、本当は焼き肉やステーキのほうが良い。
糖分、炭水化物の比率が下がり、タンパク質が増えるため。
卵を追加するのもタンパク質を補うため。

 

てんぷらなら、天丼よりてんぷら定食。

 

某有名ファストフード(マクドナルド)のグラタンコロッケバーガーのように、実際の栄養分としては糖分+糖分なのにグラタンとコロッケ、パンのように味や食感だけを変えているものは要注意。


チョコレートは一般的なミルクチョコレートではなくて、
最近流行りのカカオを多く含むものを。
(やはり糖分を減らせるのが大きい)

 

コーヒーの場合は微糖で満足するのではなくて、本格派のドリップコーヒーにするか、普段の水分補給なら、無糖でノンカフェインのお茶系飲料を試してみること
(商品名は書いてないのですが、十六茶とか 爽健美茶のことだと思います)

 

缶コーヒー以外にも、スポーツドリンクやエナジードリンクの糖分にも注意が必要。

 

コンビニに入る時には、ちゃんと買う商品を考えること。何となくポテチを買ったりしない。


こんな感じで忙しくて自炊できなくても食生活を改善出来る具体的なノウハウが分かりやすく書かれています。

 

著者の本職は栄養士ではなくスポーツトレーナーとのことですが、スポーツでは痩せにくい理由にも納得できました。


正直、自分自身に関して言うと焼け石に水と言う気もしますが、知らないより知っていたほうが確実に健康になれそうな内容が色々と書かれています。

 

アトピーが治った(重症患者中心の体験記)

[アトピーが治った。  横井謙太郎 ]

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かなり重症のアトピー性皮膚炎を克服した人たちの体験記、闘病記です。

 

内容的には効き目も副作用も大きい劇薬という気もしますので、一般的な知識を求めている人は、監修者で皮膚科医の清水医師が書いた「原因を探らずに治すアトピー(清水良輔)」を先に読んだほうがいいかもしれません。

 

医師に入院を勧められたり、本気で自殺を考えたものの何とか思いとどまったといった体験談が語られています。そうした重度のアトピーに悩む中で、アトピーが単なる皮膚の病気と言うよりも精神状態や心理にも深く関係していることに気付いていき、良い方向に進み始めた7人の物語。

 

患者(当事者)の立場から、一般的な評価の高い治療法を否定的に考えて、特殊な治療法を評価している人もいるので、読者側としては冷静な判断が必要だと思います。

 

ある程度精神的に余裕がある人が読めば非常に参考になると思うのですが、余裕が無い状態で読むと、振り回されてしまうかもしれません。

 

タイのプーケットに移住してアトピーを克服した体験も書かれていますが、果たして自分にも当てはまるのか冷静に考えてみる必要があるかもしれません。

 

この本では何度も強調されていますが、アトピー性皮膚炎と言うのは本当に多様で 人によって異なる経過をたどるようです。アトピー性皮膚炎のガイドラインが作られ、標準治療のようなものが出来ても、それで全ての人が治癒するわけではありません。

普通に皮膚科に行っても良くならなかった時のヒントと言う意味合いが強い本だと思います。

 

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カタンの開拓者たち

お題「一番好きなボードゲーム」

 

ドイツ生まれのボードゲームカタンの開拓者たち

カタン島という島に、村を作り、道を引き、町を作って島を開拓していきます。

島を開拓すると、さいころの出目に応じて、木と土(レンガ)、羊、麦、鉄の資源を得られるようになり、資源を使って、島をさらに開拓していきます。

 

このゲームは4人プレイが基本ですが(拡張キットで6人プレイも出来ますが、実際に体験した人は片付けるのが面倒だから4人でいいと言っていました)、プレイヤーごとに余る資源、足りない資源が出てきます。余った資源と足りない資源はプレイヤー同士の交渉で交換可能です。ゲームのシステムに人間同士の交渉が組み込まれていて、勝敗にも大きく影響する点が、「カタンの開拓者たち」というゲームの大きな特徴です。

 

また盗賊が他のプレイヤーを妨害する時もあるので、序盤でトップに立つと逆に不利になったりします。マラソンや自転車のロードレースのように、中盤までは目立たずに後半、一気に勝負をかけるのが基本的な戦略になります。

 

少し敷居が高いゲームですが、協力と駆け引き、運のバランスが絶妙で、好きな人には長く楽しめるボードゲームだと思います。